少年
オトコの子育て講座
お父さん
青木 匡光
第一回 子育てはハッピーな事業

 昔も今も、家庭のリーダーである父親の責任は大きい。子どものしつけ方がわからず、子育てに自信を失っている人も多いようだが、父親は決して子育てに自信をなくしてはいけない。また、子育てを母親任せにしてもいけない。
私は、まずお父さんたちに自分なりの子育てに対する「ポリシー」をもってほしいと思う。

 多くの親は、自分の理想の型に、知らず知らずのうちに子どもをはめこもうとしているようだ。
だから、歪みやズレが生じてしまう。結果、「子どもがわからない」「思うように育たない」ということになる。
本来は楽しく、すばらしいものである子育てが、そのような人たちにとっては、ゆううつで苦痛の伴うものになってしまっている。

 思うようにならないのは、一般社会にあっても、企業にあっても同じである。
こうしろ、ああしろと云わなくても、「あんな大人になりたい」という気持ちをおこさせることが、まず第一歩ではないだろうか。親が「自分の子どもにこうあってほしい」と願う気持ちはあって当然だし、それが子育てのビジョンにつながっていく。

 子どもに「あいさつができる人間になってほしい」と願うのであれば、親から率先して「おはよう!」「行ってきます!」と声をかける必要がある。また、「思いやりのある大人に」と思うなら、自分から率先して高齢者に電車のシートをゆずる親でなければいけない。

  しかし、どう生きるか、何にやりがいを見いだすかを決めるのは、あくまでも子ども自身である。
彼らの判断にゆだねるニュートラルな部分を最大限に残し、かつ豊富な選択肢を用意してやることが親の仕事なのだ。それは子ども人生にさまざまな「仕掛け」を用意していく演出家にもたとえられるだろう。
 子どもという役者の個性を見極め、これをどう生かし、どう動かしたら、いい舞台が作れるか、わくわくするような大事業である。

時には、挫折もあり、反撥もあるだろう。しかし、どう説明したら分かるのか、どう表現したら納得させることができるのか、それを苦痛に感じず、前向きに考えられれば、こんなに幸せな事業はない。
子どもの人生の生き方のキーパーソンになれる父親業ほど、やりがいのあるハッピーな事業はないのだ。


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著者のプロフィール

 青木匡光(あおき・まさみつ)

ビジネス評論家。
ヒューマンメディエーター(人間接着業)。1933年東京生まれ。
小樽商科大学卒。
三菱商事に10年間勤務したあと、広告会社に転職。

1975年アソシエイツ・エイランを設立、異業種交流の場を提供。
またサロン風のオフィスを「ヒューマンハーバー(人間の港)として開放し、人間関係に悩む人たちに指針を与え、
人生に意欲的な人同士を結びつけている。

現在、異業種交流や人脈づくりのパイオニアとして講演、著作などで活躍中。
著書は「顔を広め味方をつくる法」(日本実業出版社)、「人づきあいが苦にならない法」(PHP研究所)、
「EQ型人間が成功する」(産能大学出版部)、近著に「人づきあいの旅にでよう」(JDC)、「内気が苦にならなくなる本」(法研)、「オトコの子育て講座」(教育評論社)などがある。

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